2022年版・責任ある旅行者の手引き

責任ある旅行とは?

april-image-1

現在、観光業界では「責任ある旅行」が話題になっています。この言葉は実際のところ何を意味しているのでしょうか。

簡単に言うと、責任ある旅行とは、主体的な気配りや親切、そしてお互いに対する敬意のこと。旅先や文化に与える影響に配慮し、利用する交通手段から宿泊する場所、人々との交流まで、旅行のあらゆる側面においてプラスの影響をもたらすために、責任を持つことです。旅行への自信につながるよう、提案をいくつかまとめてみました。

人見知りは禁物

できる限り現地で出会った人と交流し、会話や触れ合う機会を作りましょう。自身にとっても現地の人々にとってもすばらしい体験となるはずです。こうした交流はまた、知り合った方々に対するあなたの敬意や人々の暮らしに対する関心を伝え、あなたの旅行体験において重要な役割を果たせたという誇りや理解を生みます。

自分のことを話しましょう

あなた自身のことやバックボーンを、出会った現地の人々に話してみましょう。それにはまた別のプラスの影響があるはずです。誰もが旅行をできるわけではない今、あなたがそこにいることは、現地の人々があなたのバックボーンを知り、自身の文化を再発見するための貴重な機会です。

現地の文化や習慣に敬意を払いましょう

april-image-1

儀式や祭礼を尊重しましょう

自分の文化を通して見たときに奇抜または非合理的に感じることが、別の環境で育った人にとっては全く自然なことだったりするもの。例えば、バリのニュピと呼ばれる静寂の儀式において、当局から室内にとどまり娯楽に興じるのは控えるよう通達があった場合は、その日は終日、それに従うことが大切です。これには例外はありません。外国人であってもです。

物には手を触れないで

イングランドのウィルトシャーにあるストーンヘンジまたはエイヴベリーで見られるような、先史時代の史跡で行われる儀式に参列する場合は、未来の世代のためにも、こうした歴史的遺物をできる限り長く保全できるように努めましょう。

ご静粛に

トルコのスーフィーダンスでは、最長で1時間回りながら踊り続ける中、参列者には敬意が求められます。会話は禁じられ、イベントが終了するまで退出することはできません。それを心に留めて静かに儀式の雰囲気を楽しみ、質問や意見は終了後にしましょう。

写真撮影は歓迎されないものと心得ましょう

コミュニティによっては、儀式や遺跡、神聖な建造物の写真を撮ることに神経質な場合があります。ツアーガイドやお近くの職員に確認してみましょう。中国タイカンボジアベトナム台湾の仏教や道教の寺院では、写真撮影に関するルールは比較的緩やかです。とはいえ、イベントや儀式を撮影する場合には、関係当局の許可を得ておくことは大切な礼儀作法と言えます。

足元や座る場所には注意しましょう

例えば、シンガポールやマレーシアのハングリー・ゴースト・フェスティバルでは、コンサートのようなパフォーマンスが住宅地域で繰り広げられます。観客用に椅子が用意されていますが、最前列には絶対に座らないでください。最前列は「特別ゲストの霊」たちのための席です。現地では、そこに座るものはやがて病気にかかるという言い伝えがあります。正しい旅の礼儀作法として、足元にも気を付けましょう。霊たちのために供えられた食べ物や線香などが多くの街角の地面に置かれているので、踏まないようにしなければなりません。

服装にも気を付けましょう

聖なる場所や保守的な国を訪ねる際は、その土地に合わせた服装を常に心がけたいものです。バリインド日本そしてタイでは、聖なる場所に入る際に膝と肘まで隠れる服装が求められます。トルコケニア、そして中東のようなより厳しい地域では、ゆったりとしたシルエットの衣装で体全体を覆う必要があります。くるぶし、腕、髪の毛までもしっかり覆うのが正しい礼儀作法です。また、イスラムのモスク、仏教やヒンズー教の寺院に入る際は、必ず靴を脱ぎましょう。土足で入ると無礼だと思われる場合があります。

基本的な言葉を覚えましょう

現地の言葉をいくつか覚えるために、時間を割きましょう(たとえ「こんにちは」と「ありがとう」だけであったとしても)。現地の言葉を覚えることは、その土地の人々や文化を大切にしていることを伝える最も効果的な方法です。 

小さな一歩が大きな変化を生むきっかけに 

april-image-1

旅行の方法を一度に大きく変える必要はありません。エシカルな旅行と言っても、そこにたどり着くまでにはたくさんの中立的な選択肢があります。とはいえ、休暇中の自分の選択がもたらす効果の大きさを一度でも実感すれば、サステナブルな旅行に対するそれまでの認識が大きく変わり、その効果に満足を得られるはずです。

目的地が決まったら、プライオリティ・パス アプリのダウンロードをお忘れなく。空港送迎サービスやレンタカーのご予約をお考えの場合は、「旅行サービス」セクションもご確認ください。